脳科学からの遊びの大切さ

先日、脳科学者の茂木健一郎氏の「脳とイノベーション」のセミナーに参加しました。

イノベーションを起こす要因として様々な説明がある中で、人は遊び感覚で物事に取り組む事が重要だと話されていました。

遊び感覚とは、みなさんも経験あるでしょう。

昔、子どもの頃遊んでいるとあっという間に日が暮れてしまった時の状態と同じような感覚です。

それは、理論的にいえば・・・

チクセントミハイの『フロー状態』や脳科学の『偶有性」からの説明で

・「自分が知っていることと知らないことが混ざり合う状態」
・「予想できることとできないことが混ざり合っている状態」
・「慣れ親しんでいて安心できることと新しく不安であることが混在している状態」

というような状態に身を置くことが脳に非常に良いとの事でした。
そのような状態で何事も取り組んでいる人に偉大な人が多いとのことです。

脳が急速に発達する子ども達にとって遊ぶ事がいかに重要であるかを新しい視点から学ぶと共に、遊びを仕事とする私にとって私の仕事が重要な使命だと再認識しました。

鉄棒の克服

4・5歳児クラスになれば、今までの経験から「怖い」「できない」と思うようになってきます。

怖いとできないと思ってしまう運動として特に慎重にしなければならないのは、鉄棒ではないでしょうか?

鉄棒は、体を地面から離し空中の中で体を支えたり回転したりとする特殊な感覚がある運動です。この感覚を特に怖いと思う子が多く、前回りを怖がり、ガチガチにした体で「怖い」という子どもを頑張れと指導する場面を経験された方は多いのではないでしょうか。

 

これは、子ども達の逆さ感覚や高さ感覚の経験不足が原因と考えられます。

そこで逆さや高さの感覚を十分身につける事が鍵になります。

感覚を身につけるには十分に鉄棒にぶら下がって揺れる事を基本に豚の丸焼き、逆上がりを補助して回してあげる等がとても有効です。もっと日常的に安心をもってするなら親子体操の腕のぶら下がりや両手を繋いで足を駆け上るくるりんぱは、信頼する保護者・先生の手を握る安心感がありとても有効です。

 

昨日の保育園で、やはり年長さんで前回りを怖がる子がいました。そのような子には、できる技をさせながら鉄棒を楽しみ、少しずつ逆さ感覚をつける逆上がりをしていきました。
ポイントは、補助を使ってできるだけ自分でさせる事。勇気を出して挑戦すると「楽しくなってきた。もっとやりたい」と何度も積極的に参加する姿へと変わっていきました。
そして逆上がりから前回りにスムースに移行でき、その子は一人でできるようになりました。

 

「一人でできた」「楽しい」「もっとやりたい」と自信がついたように喜ぶ姿を見ることは、講師みよりにつきます。

 

スポーツとの出会い

学童の子ども達とサッカーをしました。

子ども達は、サッカーを習っている子やルールを知らない子とさまざまでした。

そのため、始めに大まかなルールを子ども達と話し合って決めます。

①手を使わずにボールを相手のゴールまで運びゴールに入れたら1点です。
②ゴールキーパーは、ゴールの近くでのみ手を使うことができます。
ゴールキーパーは、各チーム2人決めてください。
③ゴールは、コーンの間とゴールキーパーの手を伸ばした高さまでとします。
④手に当たってしまったり、相手を蹴ったり押したり、服を引っ張ると反則となり、相手がボールを蹴って始めることができます。

というように決めました。

あと決めることはない?と聞き、始めることにしました。

いざ始めると決めてなかった問題が発生したり、サッカーの伝えていないルールを習っている子がする事で、言い合いの喧嘩があちらこちらで聞こえます。

この想定外の問題に子ども達は、モンクを言ったり、あげくの果てに「下手くそ」や「バカ」といった暴言にとなっていきました。

このような状態は、まさしくスポーツの出会いであり、スポーツで最も大切なスポーツマンシップやフェアプレーを学ぶ機会、お互いが楽しめるようにコミュニケーション力を高める機会となるのではないでしょうか。

相手がいるからスポーツができる、自分だけでなく相手も楽しめるように行動するという相手を敬う事。決めたルールを守り、正々堂々とプレーする事。決めたルールの中で起こった問題は、新たなルールを決める等の問題を解決する方法を見つける事などが今の子ども達には、学びになるのだと思います。

子ども達にこれらの事を伝えると「じゃあまたする時には、喧嘩になったところのルールを決めてしよう」と納得したようです。

この繰り返しが社会を生きていく事に大切なコミュニケーションとなり、お互いがより楽しめる力に結びついて行くのだと思います。

初めての鉄棒

鉄棒の活動をしています。

1歳児クラスは、初めて鉄棒を触ることがほとんどです。

なんとなく鉄棒を触っていて足を上げるとぶら下がっちゃった。というような驚きの感動体験に出会う瞬間を見ることができます。
長くぶら下がれるようになると少し揺らして上げると足を振って自分で揺れる子や足を鉄棒まで上げる子とぶら下がり遊びの中でも発展していくのが見て取れます。
子ども達の表情を見ていても必死な顔から笑いながらぶら下がるように変化していきます。

最近・・・

何人か鉄棒を握ってぶら下がれない子がいます
何か嫌なことが起きた後のような気持ちの面が多いのですが、上半身を使う事の経験不足が引き起こすケースも考えられます。

最近よく言われているハイハイ不足(居住空間が狭くなることから捕まりやすい環境になりハイハイをあまりせずすぐに立つことを覚えてしまう)があります。
上半身を使う事が減ることは、手で体を支える力が減り、それに伴う腹筋や背筋といった体を支える幹も弱まってしまいます。
これらは、転んだ時に手が出ない原因にもつながると言われますので、立ってからもたくさんさせてあげたい運動です。
また、お出かけする時に手を握って歩く事や手を握ってゆっくり持ち上げてあげるような何気ない動作も握る経験やぶら下がる経験につながります。

様々な動作を大人と子どもの関わりの中から意識してさせてあげる事が今の時代には必要になってきている事を感じます。

学童クラブ ミニ運動会 閉幕

11月から開催していたミニ運動会を終えました。

雨などで順延したりしながら4日間のプログラムを終え運動会を通して子ども達の様々な意識が変わっていく姿が見て取れました。

 

子ども達の成長の中でやはり多いのは、チーム感ではないかと思います。

いつも自分がしたらおしまいだった子ども達が、自分のチームの仲間を一生懸命応援していました。
ある子は、立って体を反りながら手を振り「フレーフレー○○組」というように大きな声で応援し、それに従ってチームメイトも大きな声で応援しました。

全員が競技に出る事で一人一人が応援される嬉しさを体験できたのが、好循環につながったのではないかと思います。

 

失敗から学びの機会につながったケースもありました。

練習ではうまくいっていた子が、本番に失敗しそれを見た仲間が文句をいい喧嘩になる場面もありました。
チームの仲間が失敗したときに対する関わりについて考える出来事になり、失敗した時の励ましの言葉、元気や勇気、次につながる言葉をかけてあげるように話し合いました。

また、今まで負けていたチームが最後の全員リレーで大逆転を走る回数の把握ミスで逃す部分がありました。

どのチームにも抜かれず走っていたが最後になってしまう最悪な事態になりました。

人数調整のための多く走る人を間違えたようで最後になってしまいました。
リーダーだけでなく、チームの一人一人が責任を持って行動する事などのチームワークについても考える機会になったと思います。

 

様々な失敗や成功から多くの学びの場になり楽しい場になった運動会になりました。