運動あそびの持つ力

松山に上陸しました。

これからは、愛媛の松山で、スポーツインターフェィスとして活動していきます。

どうぞよろしくお願いします。

 

今まで運動を指導してきた子ども達ともお別れをしてきました。
小さい子は、1歳児クラスから大きい子は、小学6年生まで最後の運動指導を終えてきました。そこで、振り返るのは、関わった子どもの様子です。

 

運動の中で、できない事ができるようになった瞬間の笑顔や内気でなかなか前に出てこれない子がお手本などみんなの前で発表した瞬間、負けると悔しがっていた子が、次への作戦を考えるようになってそれが勝つ要因に結びついた瞬間、どれも子ども達が輝く瞬間であり、その瞬間に出会うことが楽しみでした。

特に私の好きな瞬間は、運動に対する苦手意識のある子や内気な子、普段元気が無い子や転校して来たばかりでまだ友達と馴染めていない子が運動を介して改善された時は、嬉しい瞬間でした。
あるエピソードで、保育士さんからあの子は特に運動教室で開花したとの話を聞きました。

それは、保育園に入園してきた中国人の子どものエピソードです。
体がすごく大きくて言葉が分からず住んでいた文化が違うその子は、友達に誤解されやすく、友達からも避けられるような状態でした。

しかし、運動教室を一緒にする中で特に力を使う活動で、子ども達に認められ子ども達同士の距離が縮まっていき、それに伴い彼も自信をつけていくようになりました。
友達を持ち上げる事や引っ張る事、体当たりする事など力を使うような場面で、友達から「○○くんすごい」「もう一回やって」などと言われていました。
特に平均台の上で両端から渡りすれ違う活動では、軽々お友達を持ち上げすれ違う様子は、みんなのヒーローのようでした。

 

 

短所を伸ばすことも大切ですが、長所を引き出し伸ばして上げることは、特に大切な事を改めて知ったエピソードです。

 

他にも様々な運動あそびによって改善したエピソードがありました。

 

 

これからまた様々な子ども達に『運動あそびの持つ力』を伝えていきたいと思います。

 

からだの使い方

からだの使い方は、どのように身につけましたか?

 

歩く時の重心移動、 跳ぶ時の手の振り、

着地の時のひざの曲げ、 引っ張る時の姿勢・・・・

 

子どもの頃、遊びの中で様々な動きたくさん経験している間に
自然と効率の良いからだの使い方を身につけてきました。

 

何度も転んでは、立ち上がって、何度も転んで歩き出す
赤ちゃんの姿を思い浮かべれば分かりやすいでしょうか?

 

私は、昔、子ども達に効率の良い動きを教えようとして失敗したことがあります。

綱引きの手の持ち方は、こうだよ!!
ボールの投げ方は、こうだよ!!

と一生懸命に教えていました。
しかし、なかなか子ども達は良くならない。
できたのはその教えた時の少しの間だけ・・・

そして、ある子ども達の変化に気づきました。
遊びを何度も繰り返して遊ぶ中で教えなくても自然と効率の良い体の使い方になっていきます

例えば・・・
●綱引きを目的とした遊びをして遊ぶ中で、強く引っ張らないといけない状況を作った時
子ども達は、自然と手を持ち替えて、しかも自然と腰を落とすように引っ張り始めました。

また・・・
●子ども達の跳べるちょうどの距離を使うことで、子どもは、体を大きく使い、手の振りをうまく使うようになっていました。

そして・・・
たくさん強く投げる遊びをたくさんしていくと自然とフォームが良くなってっきました。

投げる動作の発達が目に見えてきます。

投げる動作の発達 *文部科学省:基本動作の調査より

 

好きこそ物の上手なれ

 

いくら分かりやすい説明を聞き行った動作よりも何度も繰り返す事で自然と身につく動作では、身につき方が全く変わってきます。

好きなものは、いくらでも時間を割く。そのため、どんどん上達する。
しかし、嫌いなものは、あまり時間を使わないため、上達しない。

 

全ては、その子の取り巻く環境がそうさせます。

運動自体を好きになり、時間を忘れて積極的にからだを動かすようになる環境づくり

それが、私たちの仕事です。

子どもの集中力は短い?

子どもが集中できる時間はどれくらいでしょうか?

10分?

20分?

30分?

50分?

こんな事を体育指導の現場で聞いたり、本の中でみたりします。

子どもは、集中できる時間が短い!!

 

はたしてそうでしょうか?

アニメのビデオを見てるとき・・・・
ゲームをやっているとき・・・・
草滑りをやっているとき・・・・

飽きずにずっと続けています。

 

私は、子ども達の集中について内容次第で何分でも何時間でも続くと考えます。

運動スクールが終わって、子ども達が、『もう終わり?』『まだやりたい!!』と声が上がることがよくあります。
運動のプログラムが、運動スクールの中だけで終わらないよう子ども達の自由な時間、担任や指導員、子ども達同士が、空いた時間にいつでもできるように心がけています。

テレビやビデオ、ゲームのように何十分、何時間でも集中して楽しめる運動あそびの力を多くの子ども達に伝えていけたらと思います

 

できない・・・

できない・・・という子どもがいます。

その子をよく見ていると自尊心が低く、やる前から諦めている。
また、一度の失敗でくじけてしまう。

普段から褒められたり、認めてもらう経験が少ない。
遅寝遅起きや朝ごはんを食べないことから起こる活動するための健全な心とからだが整っていない。
いつも受身で行動している。

など原因は様々なところに・・・

しかし、何かのきっかけで大きく変わる。

活動の中で運動ではない部分(工夫)でも褒められた時。
やってみるとできた時。
友達と一緒にやってみてできた時。

成功体験や褒められることで、自信をもって物事に取り組んでいきます。
また、失敗しても次挑戦する姿勢を大切にする事を学んでいきます。

子どもの自尊心を大事にします。

運動ではない部分でも子どもをフォーカスして褒めます。
運動のスモールステップで動きの要素を遊びから身につけさせ、成功できる状態をつくります。
子ども主体で様々な工夫や選択をできるようにします。

自ら進んで何事も挑戦し、失敗したことも次の挑戦に活かせる子ども達になって欲しいと思います。

知識でなく知恵を身につけたい

最近の若者は、知識はあるんだけど、気づく力や考える力がないな・・・

なんて聴いたり感じたことはありますか?

最近の子ども達も同じように感じることがあります。

遊びは、何度もしているうちに勝てる方法を考えたり、工夫していきます。

今日はそんな活動としてお助けマン鬼ごっこをしました。

相手チームとジャンケンをし負けたら座っていきます。全員やぶれると負けです。
しかし、一人だけ負けた仲間を復活できるお助けマンを作ります。
ゲームのキーパーソンであるお助けマンをどうするかが作戦へとつながっていくゲームです。
1回戦目は、何も考えずただ勝ちに行く様子が見て取れます。
2回戦目になると勝つ工夫をしている子が何人か出てくるようになりました。

このようにゲームのキーポイントに気づく事が勝つことにつながり、相手との駆け引きが生まれるレベルを上がっていきます。

まだまだゲームを繰り返すことで、自分で考えながら、仲間や相手を見ながら気づき、ゲームのポイントを見つけだしていきます。

歩んでいく人生においてもよく観察し、気づき、考え、工夫できる人間になってもらいたいと願います。

知識でなく知恵を!!  それが生きる力です。