できない・・・

できない・・・という子どもがいます。

その子をよく見ていると自尊心が低く、やる前から諦めている。
また、一度の失敗でくじけてしまう。

普段から褒められたり、認めてもらう経験が少ない。
遅寝遅起きや朝ごはんを食べないことから起こる活動するための健全な心とからだが整っていない。
いつも受身で行動している。

など原因は様々なところに・・・

しかし、何かのきっかけで大きく変わる。

活動の中で運動ではない部分(工夫)でも褒められた時。
やってみるとできた時。
友達と一緒にやってみてできた時。

成功体験や褒められることで、自信をもって物事に取り組んでいきます。
また、失敗しても次挑戦する姿勢を大切にする事を学んでいきます。

子どもの自尊心を大事にします。

運動ではない部分でも子どもをフォーカスして褒めます。
運動のスモールステップで動きの要素を遊びから身につけさせ、成功できる状態をつくります。
子ども主体で様々な工夫や選択をできるようにします。

自ら進んで何事も挑戦し、失敗したことも次の挑戦に活かせる子ども達になって欲しいと思います。

知識でなく知恵を身につけたい

最近の若者は、知識はあるんだけど、気づく力や考える力がないな・・・

なんて聴いたり感じたことはありますか?

最近の子ども達も同じように感じることがあります。

遊びは、何度もしているうちに勝てる方法を考えたり、工夫していきます。

今日はそんな活動としてお助けマン鬼ごっこをしました。

相手チームとジャンケンをし負けたら座っていきます。全員やぶれると負けです。
しかし、一人だけ負けた仲間を復活できるお助けマンを作ります。
ゲームのキーパーソンであるお助けマンをどうするかが作戦へとつながっていくゲームです。
1回戦目は、何も考えずただ勝ちに行く様子が見て取れます。
2回戦目になると勝つ工夫をしている子が何人か出てくるようになりました。

このようにゲームのキーポイントに気づく事が勝つことにつながり、相手との駆け引きが生まれるレベルを上がっていきます。

まだまだゲームを繰り返すことで、自分で考えながら、仲間や相手を見ながら気づき、ゲームのポイントを見つけだしていきます。

歩んでいく人生においてもよく観察し、気づき、考え、工夫できる人間になってもらいたいと願います。

知識でなく知恵を!!  それが生きる力です。

 

脳科学からの遊びの大切さ

先日、脳科学者の茂木健一郎氏の「脳とイノベーション」のセミナーに参加しました。

イノベーションを起こす要因として様々な説明がある中で、人は遊び感覚で物事に取り組む事が重要だと話されていました。

遊び感覚とは、みなさんも経験あるでしょう。

昔、子どもの頃遊んでいるとあっという間に日が暮れてしまった時の状態と同じような感覚です。

それは、理論的にいえば・・・

チクセントミハイの『フロー状態』や脳科学の『偶有性」からの説明で

・「自分が知っていることと知らないことが混ざり合う状態」
・「予想できることとできないことが混ざり合っている状態」
・「慣れ親しんでいて安心できることと新しく不安であることが混在している状態」

というような状態に身を置くことが脳に非常に良いとの事でした。
そのような状態で何事も取り組んでいる人に偉大な人が多いとのことです。

脳が急速に発達する子ども達にとって遊ぶ事がいかに重要であるかを新しい視点から学ぶと共に、遊びを仕事とする私にとって私の仕事が重要な使命だと再認識しました。

鉄棒の克服

4・5歳児クラスになれば、今までの経験から「怖い」「できない」と思うようになってきます。

怖いとできないと思ってしまう運動として特に慎重にしなければならないのは、鉄棒ではないでしょうか?

鉄棒は、体を地面から離し空中の中で体を支えたり回転したりとする特殊な感覚がある運動です。この感覚を特に怖いと思う子が多く、前回りを怖がり、ガチガチにした体で「怖い」という子どもを頑張れと指導する場面を経験された方は多いのではないでしょうか。

 

これは、子ども達の逆さ感覚や高さ感覚の経験不足が原因と考えられます。

そこで逆さや高さの感覚を十分身につける事が鍵になります。

感覚を身につけるには十分に鉄棒にぶら下がって揺れる事を基本に豚の丸焼き、逆上がりを補助して回してあげる等がとても有効です。もっと日常的に安心をもってするなら親子体操の腕のぶら下がりや両手を繋いで足を駆け上るくるりんぱは、信頼する保護者・先生の手を握る安心感がありとても有効です。

 

昨日の保育園で、やはり年長さんで前回りを怖がる子がいました。そのような子には、できる技をさせながら鉄棒を楽しみ、少しずつ逆さ感覚をつける逆上がりをしていきました。
ポイントは、補助を使ってできるだけ自分でさせる事。勇気を出して挑戦すると「楽しくなってきた。もっとやりたい」と何度も積極的に参加する姿へと変わっていきました。
そして逆上がりから前回りにスムースに移行でき、その子は一人でできるようになりました。

 

「一人でできた」「楽しい」「もっとやりたい」と自信がついたように喜ぶ姿を見ることは、講師みよりにつきます。

 

スポーツとの出会い

学童の子ども達とサッカーをしました。

子ども達は、サッカーを習っている子やルールを知らない子とさまざまでした。

そのため、始めに大まかなルールを子ども達と話し合って決めます。

①手を使わずにボールを相手のゴールまで運びゴールに入れたら1点です。
②ゴールキーパーは、ゴールの近くでのみ手を使うことができます。
ゴールキーパーは、各チーム2人決めてください。
③ゴールは、コーンの間とゴールキーパーの手を伸ばした高さまでとします。
④手に当たってしまったり、相手を蹴ったり押したり、服を引っ張ると反則となり、相手がボールを蹴って始めることができます。

というように決めました。

あと決めることはない?と聞き、始めることにしました。

いざ始めると決めてなかった問題が発生したり、サッカーの伝えていないルールを習っている子がする事で、言い合いの喧嘩があちらこちらで聞こえます。

この想定外の問題に子ども達は、モンクを言ったり、あげくの果てに「下手くそ」や「バカ」といった暴言にとなっていきました。

このような状態は、まさしくスポーツの出会いであり、スポーツで最も大切なスポーツマンシップやフェアプレーを学ぶ機会、お互いが楽しめるようにコミュニケーション力を高める機会となるのではないでしょうか。

相手がいるからスポーツができる、自分だけでなく相手も楽しめるように行動するという相手を敬う事。決めたルールを守り、正々堂々とプレーする事。決めたルールの中で起こった問題は、新たなルールを決める等の問題を解決する方法を見つける事などが今の子ども達には、学びになるのだと思います。

子ども達にこれらの事を伝えると「じゃあまたする時には、喧嘩になったところのルールを決めてしよう」と納得したようです。

この繰り返しが社会を生きていく事に大切なコミュニケーションとなり、お互いがより楽しめる力に結びついて行くのだと思います。